この記事の要点
依頼文は、目的、来訪者、起点と目的地、迷う地点、掲載媒体、支給素材、希望納品、日程、権利条件の順で書きます。未確定事項は隠さず、相談したい点として分けます。
必要な項目から読む
まず押さえる論点
「駅から店までの地図をお願いします」とだけ送り、制作者との質問往復が増えたり、完成後に入口や媒体条件の伝え漏れに気づいたりする。
冒頭は制作物より解決したい問題を書く
依頼文の最初には、「A4チラシ用の地図が欲しい」だけでなく、「初めて来る車利用者が建物裏へ着き、正面駐車場を電話で尋ねるため、進入方向と入口を一枚で伝えたい」と書きます。制作者は目的が分かれば、道路名を強調するのか、入口写真を加えるのか、情報を減らすのかを提案できます。
利用者、交通手段、迷う地点を一文に入れ、その後に制作点数や媒体条件を続けると、単なる装飾依頼になりにくくなります。
経路情報は起点から順番に番号を付ける
住所や地図リンクを送るだけでは、どの出口や入口を推奨するのか伝わりません。「1 東口改札、2 出口B、3 ○○交差点、4 ビル正面入口、5 二階受付」のように、来訪者が判断する順に並べます。避けるべき裏口、一方通行、時間外に閉まる門も別記します。
目印は正式名称、見える進行方向、変わりにくさを添え、自分で撮影した写真には撮影位置と向きを付けます。未確認の経路は確定情報と混ぜず、現地確認が必要と明示します。
作風の希望は参考画像だけに任せない
参考画像を添えるときは、「配色を参考」「線の太さを参考」「情報量は今回に合わせる」など、採用したい要素を書きます。実在地図の画面や他者の作品を、そのまま複製・トレースしてほしいという頼み方は避けてください。店舗のブランドカラーを使う場合は色番号、ロゴを使う場合は正式データと利用ルールを渡します。
高齢者向けに文字を大きくする、多言語でもピクトグラムを併用するなど、見た目の好みと利用条件を分けると伝わります。
未確定事項には質問してほしい期限を付ける
すべてを決めてからでなければ相談できないわけではありません。「納品形式はWebと印刷の両方に使えるものを提案希望」「翻訳文は支給予定だが文字量を相談したい」のように、判断を頼む箇所を分けます。一方、正しい入口や通行可否など施設側しか決められない情報は、依頼者が確認します。
初稿希望日、質問への返信可能日、最終公開日を記載し、見積もりに含む範囲、修正回数、権利条件への回答を依頼すると、着手後の往復を減らせます。
そのまま使える依頼文のひな形
次の角括弧内を埋めると、依頼文の下書きになります。
「【目的】[解決したい迷い]/【来訪者】[対象者と交通手段]/【経路】[起点、目的地、迷う地点]/【媒体】[Web・印刷物等と寸法]/【支給素材】[住所、写真、参考資料]/【希望納品】[形式と点数]/【日程】[初稿、確認、使用開始日]/【利用条件】[商用利用、改変、掲載媒体]」の順に記入します。
決まっていない項目は空欄にせず、「未確定のため提案希望」と書き、見積もりに含む作業と追加確認事項を尋ねます。
依頼前に整理する順序
- 依頼の目的と、改善したい具体的な迷い方を一文で書く
- 起点から入口・受付までの経路を箇条書きにする
- 確定事項、希望、制作者へ相談したい事項を分ける
- 添付資料に番号を付け、依頼文の記載と対応させる
見積もりで確認したい条件
- 何が正しい経路か施設内でも意見が分かれている
- 複数交通手段や複数入口を整理してから描く必要がある
- 外国語、アクセシビリティ、印刷入稿など専門判断が必要である
- 公開日が近く、依頼文作成から進行管理まで支援が必要である
依頼時に渡す情報
- 依頼目的と現在起きている問い合わせ
- 想定する来訪者と交通手段
- 起点、目的地、正しい入口、受付
- 残したい目印と避けたい経路
- 掲載媒体、寸法、色、文字量の条件
- 参考デザインと参考にする箇所
- 支給素材、希望納期、納品形式、利用範囲
公開・依頼前の確認項目
未確認の項目を残さず、該当しないものはその理由も記録します。
- 依頼目的が来訪者の行動として書かれている
- 地図の起点と終点が正式名称で示されている
- 正面入口、駐車場、受付等の優先順位が分かる
- 希望と確定条件が混同されていない
- 媒体、サイズ、納品形式、納期を記載した
- 素材の出典と商用利用の希望を記載した