この記事の要点
形式名から決めず、使う媒体、実寸、拡大の有無、背景、更新担当を伝えます。Web用画像、印刷会社指定のPDF等、必要なら編集用データを用途別に受け取ります。
必要な項目から読む
まず押さえる論点
完成画像だけを受け取り、印刷で粗くなったり、背景透過や文字修正ができなかったりして、再依頼が必要になる。
納品形式は拡張子ではなく、実際の使い道から決める
「高画質でください」だけでは必要条件が伝わりません。Webサイトの横幅六百ピクセルで表示するのか、A4チラシへ配置するのか、屋外看板まで拡大するのかを伝えます。背景が白以外なら透過画像が必要なこともあります。形式ごとに得意な用途はありますが、印刷会社や制作環境の指定が優先されます。
制作者へ媒体、実寸、色、背景、拡大予定を提示し、Web掲載用と印刷入稿用を別々に提案してもらうのが確実です。
Web用画像は表示幅と読み込み量をセットで考える
PNGは線や文字をくっきり見せやすく、JPEGは写真を含む画像で容量を抑えやすい傾向があります。WebPなども選択肢ですが、サイトの運用環境で扱えるかを確認します。高解像度の大きな画像をそのまま載せると表示が遅くなり、小さすぎる画像は拡大時に文字が崩れます。
実際の表示サイズに合う画像と、必要なら高密度端末向けの版を用意し、地図画像を見られなくても住所や経路要点を本文で読めるようにしてください。
印刷用は印刷会社の仕様を先に渡す
印刷ではPDF等が使われますが、受付形式、カラー方式、塗り足し、画像解像度、フォント処理は印刷会社や商品によって異なります。地図完成後に仕様を伝えると、再調整や追加料金が必要になることがあります。名刺、チラシ、案内状などの商品名と入稿テンプレートを先に入手し、制作者へ渡します。
家庭用印刷で確認する場合も、画面上の色と完全には一致しません。最終的には原寸で文字と線を確認し、必要なら印刷会社の校正手段を使います。
編集用データは「受け取れば自由に直せる」とは限らない
SVGや制作ソフトの元データを受け取っても、対応ソフトがない、使用フォントを持っていない、配置画像がリンク切れになる、素材ライセンスが第三者編集を認めない、といった問題があります。何を自分で更新したいかを先に決め、編集方法と必要環境を確認してください。元データ納品が有料の場合もあります。
更新頻度が低ければ完成形式だけ受け取り、変更時に同じ制作者へ頼むほうが簡単なこともあるため、権利と運用コストの両方で選びます。
拡張子だけで編集可能とは判断しない
SVGやPDFでも、内部に画像が貼り付けられているだけの場合があります。文字を直せるか、経路線を個別に動かせるか、使用フォントが別途必要かを確認してください。「拡大してきれいに見えること」と「自分のソフトで編集できること」は別の条件として見積もりへ記載します。
依頼前に整理する順序
- 地図を載せるWebページ、印刷物、看板等を一覧にする
- 媒体ごとの実寸、最大表示幅、背景色を確認する
- 今後どの項目を誰が更新するか決める
- 入稿先や更新ソフトに対応形式を確認する
見積もりで確認したい条件
- 大型看板や複数サイズへ拡大・縮小して使う
- 印刷会社の色、塗り足し、フォント等の指定がある
- SVGや制作ソフトの元データを安全に編集できない
- 複数担当者・別業者へ長期的に更新を引き継ぐ
依頼時に渡す情報
- 使用媒体と媒体ごとの仕上がり寸法
- Web上の想定表示幅と高解像度端末への対応希望
- 印刷会社の入稿仕様書
- カラー、白黒、背景透過の必要性
- 拡大縮小やトリミングの予定
- 自社で使える編集ソフトと担当者の技能
- 将来変更する可能性がある文字や経路
- フォント、画像、元データの利用条件希望
公開・依頼前の確認項目
未確認の項目を残さず、該当しないものはその理由も記録します。
- Web用と印刷用を同じ低解像度画像で済ませていない
- 最終的な実寸と背景条件を制作者へ伝えた
- 印刷会社が受け付ける形式を事前に確認した
- 編集用データを開くソフトとフォントを確認した
- 元データや配置素材の利用範囲を確認した
- 最終版と確認用画像を区別できるファイル名にした