この記事の要点
起点は施設に最も近い出口ではなく、利用者が識別しやすく営業時間中に通れる改札・出口に固定し、出口番号と地上で最初に見える目印までを案内するのが基本です。
必要な項目から読む
どこで案内が途切れるのか
駅名は伝えているのに、来訪者が反対側の出口へ出て遠回りしたり、地下街で方向を失ったりする
自分で整理する手順
- 利用者が主に使う路線と到着ホームを確認する
- 改札から各出口まで実際に歩き、閉鎖時間とバリアフリー経路を記録する
- 出口番号、地上の向き、最初の曲がり角を一枚の下書きにする
- 初めて訪れる人に下書きだけで歩いてもらい迷点を直す
近さより再現性で出口を選ぶ
地図の起点は、目的地まで百メートル短い出口が常に正解とは限りません。ホームから見つけやすい改札か、出口番号が現地で連続しているか、地下通路が営業時間中に使えるかまで確認します。初来訪者が乗換案内を見ながら再現できることを優先し、複数候補がある場合は主経路を一つに絞ります。
別出口は『出た場合の復帰方法』として短く補足し、地図上で同格に見せないことが迷いを減らします。
改札・出口・地上の三段階をつなぐ
『東口から徒歩五分』だけでは、改札を出た後に地下街のどちらへ進むかが抜けます。案内には、利用する改札、改札後に追う出口番号、地上に出た瞬間に見える建物や横断歩道を順番に置きます。エレベーター出口が階段出口と離れる駅では別線で示し、合流地点を明記します。
駅構内の名称や出口の運用は変わるため、現地確認日を原稿に残し、鉄道事業者の公式情報も更新時に照合します。
下見で確認する迷いの兆候
制作前の下見では、歩いた時間だけでなく、案内表示が途切れる地点、似た名称のビル、出口を背にした左右、工事で見えなくなる目印を記録します。写真は公開素材というより制作者との認識合わせに使い、通行人の顔や車両番号など不要な個人情報を写さないよう配慮します。
完成図は施設を知らない人に試してもらい、口頭の助けなしで入口まで着けるか確認してから公開します。
案内文にするときの例
次は書き方を示す架空の例です。実在する駅の出口や経路ではありません。
「中央改札を出て、案内表示に沿って東口へ進みます。地上に出たら駅前広場を正面に見て右へ。最初の信号を渡り、角の建物の正面入口へお入りください。受付は2階です。」
実際の案内では、出口の正式名称と、地上に出た後の向きを現地で照合します。「駅を出て右」だけで済ませず、どの出口で、何を正面に見たときの右なのかを書き分けてください。
制作を依頼する目安
- 地下街や私鉄・地下鉄の乗換動線が複雑で一つの図に収まらない
- 通常経路とエレベーター経路を読み分けられるよう設計する必要がある
- 印刷・Web・多言語で同じ案内情報を展開したい
依頼時に渡す情報
- 路線名と利用者が多い到着方向
- 採用する改札名・出口番号
- 改札から地上までの写真と確認日
- 出口の利用可能時間
- 階段・エスカレーター・エレベーター情報
- 目的地入口の写真と正式名称
公開前の確認項目
未確認の項目を残さず、該当しないものはその理由も記録します。
- 出口番号は現地表示と一致している
- 改札名と出口名を混同していない
- 閉鎖時間がある出口に注記がある
- 地上へ出た直後の向きが分かる
- 車いす利用者向け経路を通常経路と混ぜていない
- 駅構内図や鉄道会社ロゴを許可なく転載していない