この記事の要点
一般案内と避難経路図は別成果物として目的、根拠、承認者、更新手順を分け、共通の平面情報だけを慎重に共有する。
必要な項目から読む
どこで案内が途切れるのか
見やすい館内図へ非常口記号を加えれば避難経路図になると考え、必要な法令・施設基準の確認を省いてしまう。
二つの図は見る状況が違う
一般の館内案内図は、平常時に受付、部屋、設備を探すためのものです。避難経路図は非常時の行動に関わり、施設用途、所在地、消防計画などによって必要な内容や掲示方法が異なります。見た目が似ていても別の成果物として目的と使用場面を定めます。
依頼先と確認者を分ける
案内図の制作者には情報の整理と読みやすさを依頼し、避難経路や消防設備の根拠は施設管理者や必要な専門家が確認します。避難関係は権限のある担当者が承認した情報を原本とし、制作者の判断だけで方向や設備を追加しません。発注時に制作範囲と承認範囲を分け、誰が最終確認するかを明記します。
共通データにも別の更新履歴を持つ
壁や通路の形状は共通データとして利用できますが、一般案内版と避難版には別の版番号、確認者、確認日を持たせます。一方で入口や壁の位置を変更した場合も、その修正をもう一方へ無条件にコピーしません。改装後はそれぞれの目的と根拠に沿って再点検し、個別に承認します。
自分で整理する手順
- 作りたい図の利用場面を平常時と非常時に分ける
- 施設管理者へ必要な法定掲示と根拠を確認する
- 一般案内図には平常時の目的地と動線だけを整理する
- 避難関係は所管・専門家が確認した情報から制作する
制作を依頼する目安
- 法令や消防計画に基づく掲示を作る
- 避難経路・設備位置・現在地の正確な確認が必要
- 宿泊・福祉・大規模施設など施設固有要件がある
依頼時に渡す情報
- 平常時案内と非常時掲示それぞれの使用目的
- 施設用途に応じた防災資料の管理部署
- 避難情報を承認する責任者・所管の指定
- 二種類の図を設置する壁面と閲覧条件
- 共有可能な壁形状データの出典
- 別々に付与する版番号・確認日・改訂履歴
公開前の確認項目
未確認の項目を残さず、該当しないものはその理由も記録します。
- 受付案内を法令適合済み避難図と称していない
- 非常口の向きをデザイナー判断で追加していない
- 消防設備位置を管理者原本と照合した
- 一般案内と防災掲示の承認者を分離した
- 片方の校了印を他方へ流用していない
- 改装後に二系統の履歴を個別更新した