この記事の要点
『バリアフリー対応』と一括りにせず、確認できた段差、勾配、扉、エレベーター、介助の要否を項目別に示し、利用者が事前に経路を選べるようにします。
必要な項目から読む
どこで案内が途切れるのか
バリアフリーと一言で表示しているが、段差、勾配、扉幅、エレベーター利用時間など、来訪者が判断するための条件が不足している。
自分で整理する手順
- 駅や駐車場から目的地までを、段差を避ける経路として連続して確認する
- 勾配、路面、扉、通路幅、エレベーターの位置と利用時間を記録する
- 通常経路と段差を避ける経路を線種・記号・文章で区別する
- 利用者または支援担当者に案内を確認してもらい、不明な設備条件は問い合わせ先を示す
設備の有無ではなく連続した経路を見る
入口にスロープがあっても、駅からそこまでに縁石があり、館内の扉が通りにくければ、利用できる経路とは言い切れません。起点から受付までを一続きでたどり、段差、勾配、路面、扉、通路、エレベーターを順番に確認します。確認できない寸法や利用条件は推測で埋めず、施設へ問い合わせられる情報を添えます。
案内図では障害の有無を断定する表現より、観察・確認した条件を具体的に示します。
通常経路との分岐点を明確にする
段差を避ける入口が建物裏側にある場合、通常入口の直前で別経路を示しても引き返す距離が長くなります。どの交差点や施設入口で経路が分かれるかを広域側から表示し、別入口の正式名称や呼び出し方法まで案内します。通常線と別経路線は色に加えて実線・破線、記号、文言で区別します。
利用者が自分の状況に応じて選べるよう、距離や所要時間は条件付きの目安として示します。
利用者確認で案内の抜けを見つける
施設担当者が歩いて確認しただけでは、重い扉、低い位置から見えない案内板、旋回しにくい曲がり角に気づかないことがあります。可能な範囲で車いすやベビーカーの利用者、支援担当者に案内を見てもらい、情報の不足を聞き取ります。ただし一人の確認結果を全利用者へ一般化せず、設備変更時には管理者が再確認します。
正式な適合性評価や改修判断が必要な場合は、案内図制作とは別に専門家へ相談します。
制作を依頼する目安
- 敷地全体の高低差や複数設備を実測・整理する必要があり、簡易な現地確認では足りない
- 視覚、聴覚、移動など複数のニーズを一つの案内体系へまとめたい
- 施設改修や正式なアクセシビリティ評価と関係し、専門職や管理者の確認が必要になる
依頼時に渡す情報
- 主な起点と想定する移動手段
- 段差を避ける全経路の連続写真
- 坂・スロープ・路面の状態
- 扉、通路、エレベーターの確認情報
- 設備の利用可能時間と鍵・呼び出しの要否
- 介助を依頼できる場合の手順
- 施設管理者と利用者による確認日
公開前の確認項目
未確認の項目を残さず、該当しないものはその理由も記録します。
- 一部の段差解消だけで経路全体を利用可能と断定していない
- 入口から受付まで連続して条件を確認した
- 通常経路と別経路を色だけで区別していない
- 設備の寸法や利用可否を推測で記載していない
- 利用時間や事前連絡の条件を明記した
- 施設管理者と当事者視点で照合し、確認日を記録した